【2023年8月時点】10月からインボイス制度開始前に登録と取りやめの方法を解説

インボイス

2023年10月からインボイス制度が始まる。国税庁や公正取引員会などが制度導入に向けて環境整備を進めているが、登録数は伸び悩んでおり理解が浸透しているとは言えないようだ。フリーランスや副業をしている免税事業者がとりやめたいと考えるケースもあるだろう。本記事では、届出時期によって不利にならないよう、時期別に分類して提出方法を解説する。

インボイスの登録状況

国税庁に2023よれば、インボイスの登録数は2023年7月末で342万件(登録申請数は370万件)と、これまでのペースに比べ微増で伸び方は緩やかになっている。エヌエヌ生命保険株式会社が全国の中小企業経営者に行った意識調査によると、インボイス登録事業者に「登録している」が 41.4%、「制度開始までに登録予定」が11.1%と、約半数が10 月からの制度開始までに間に合うように準備を進めていることが分かった。一方、中小企業経営者の約4人に1人にあたる24.7%が「登録する予定はない」と回答するなど、政府の思惑通りには登録が進んでいない様子も伺える。

登録と取り消しは自由だが時期に注意

インボイス登録は任意だが、登録と取り下げ(取り消し)の時期に注意が必要だ。インボイス登録は、9月末までに届け出れば10月の制度開始に間に合う。また、一度登録しても取り消しや取り下げができるが、届出時期によって納税しなければいけない期間が異なるので注意が必要だ。

なお、制度発足の10月までに行うのが「取り下げ」、10月以降は「取り消し」と区別され、税務署へ提出する届出の様式も異なる。国税庁のサイトには、免税事業者が登録をやめる際の注意事項(「インボイス制度において事業者が注意すべき事例集」)が掲載されているので参考にしたい。以下に概要を示しておくが税務に不慣れな人には分かりにくい点もあるため、実際に行う場合には近くの税務署や税理士に確認したほうがよい。

2023年9月末までの取り下げ

取り下げの申出書は9月29日必着で提出する必要があり、様式は特に決められていない。この制度を使えば、10月1日から免税事業者として取り扱われるので消費税を納税する義務は一切発生しないのがメリットだ。

実際に取り下げする場合は、各国税局(所)のインボイス登録センターに必要事項等を確認の上、取り下げ書を2部と返信用の封筒・切手を同封の上郵送するとよい。

取り下げ書に必要な事項は次のとおり。

  • 登録申請者の氏名・名称
  • 納税地
  • 取下げの旨
  • 取り下げる書類の名称(登録申請書)
  • 登録申請書の提出年月日
  • 登録申請書の提出方法(書面又はe-Tax)
  • 登録番号(通知を受けている場合)

2023年12月末までの取り消し

次は、10月を過ぎて12月17日までに、国税庁のサイトに掲載してある様式で取り消しを届け出る方法だ。これを使えば、2023年の10月から12月分までの消費税を納税する義務はあるが、2024年以降は発生しない。

2024年1月以降の取り消し

最後は、2024年1月以降に取り消しする方法で最も影響が長くなるケースがある。これも国税庁のサイトに掲載してある様式で提出する。届出書は取り消したい課税期間の初日から起算して15日前の日までに提出する必要がある。

登録日が2024年1月以降の場合は2年縛りがあるので、2026年まで免税事業者に戻れない。ただし、2023年5年10月1日を含む課税期間に登録した場合は、12月17日までに提出すれば2024年6年度は納税義務を免れることができる。

インボイス登録の判断は9月中を目処に

政府はインボイス制度を定着させるため、さまざまな措置を講じている。国税庁は元請けに8割の課税仕入れを認める経過措置や、新規の課税事業者に2割特例で税負担の軽減措置を設けるなどして後押しをしている。また、公正取引員会もインボイス導入によりフリーランスや副業などが不利益を被らないように注意喚起している。しかし、経過措置や特例には期限がある。インボイス登録するかどうかは、これらの期限後までを見据えて慎重に検討する必要があるだろう。

登録や取りやめの手続きはいつでもできるが、予想しない納税期間が発生する場合があるため、判断は9月中を目処に行うほうがよさそうだ。


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TAKAHIRO FUTAKADO

難聴、発達障害の子らと認知症の母と暮らすアラフィフ。石川県在住。 地方公務員歴28年。2022年1月からフリーランスのライター。 執筆分野は不動産、金融、簿記会計など。

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